• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年9月30日(月)

ここから本文です。

知事記者会見

2019年9月30日(月)


知事発表:ラグビーワールドカップ2019開幕、「世界クラスの資源・人材群」が87件に!、企業で活躍する定住外国人ロールモデル
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、地域医療構想の再検証要請
記者質問:桜ヶ丘病院の移転(住民投票)、いるか追込漁業
記者質問:サクラエビ秋漁、豚コレラ対策
記者質問:豚コレラ対策、桜ヶ丘病院の移転(住民投票)

知事発表:ラグビーワールドカップ2019開幕、「世界クラスの資源・人材群」が87件に!、企業で活躍する定住外国人ロールモデル

(知事)

 今日のお花は、酔芙蓉。これは芙蓉です。酔芙蓉とは、酔っぱらった芙蓉という意味だそうです。確かにちょっと乱れてますかね。芙蓉の花といったら、もうちょっとこう、形がきれいなものだと思いますけれども。それから、白いくるくるしたものは、さらし柳巻蔓というものでございます。葉っぱはモンステラ。ピンクの小さな花は、こちらにございますけれども、これはブバリア。黄緑はスプレーマムです。以上5種類のお花でございます。

ラグビーワールドカップ2019開幕

 さて、発表項目は3点であります。待ちに待ったワールドカップ2019日本大会、これ自体は9月20日に始まったのでありますけれども、9月20日の東京スタジアムでは、日本代表対ロシア代表戦で日本代表が快勝いたしまして、日本中が盛り上がりました。そして、一昨日、エコパスタジアムで、4回行われる対戦のうち、初戦があったということで、5万人のスタジアム、4万7800人と、4万8千人近いということで、ほぼ満席になりまして、しかも、アイルランドに勝ったということで。そして、無事終わったということですね。本当にほっとしております。

 無事に終わった以上に、これが静岡ショックなどというふうな名前で、AFPフランス通信社で報道されたと。ブライトンでしたかね、あれは。南アフリカに勝ったやつですね。その向こうの地名と一緒に、今度静岡の名前が、まずフランスで使われたようですね。フランスは、やっぱりSPACが演劇の都静岡という名前を定着させてくださったということもありまして、静岡はショックを通じて、エコパがこれからの世界のワールドカップの歴史上、日本が前回勝ったのはまぐれではなくて、本当に実力のあるすごいチームに育っているということで、世界中を驚かせたものとして、半永久的に語り継がれることになるんではないかというふうに思っておりまして、大変ありがたく思っております。何と言いましても、袋井市原田市長さんを中心にいたしまして、この2年弱、スクラムあるいはパス、キックのイベント等々で、言ってみれば、ラグビーについて何もご存知ないような市民の方が多い、そうした中で、ラグビー熱を市民の力で盛り上げていただいたということですね。そして、アイルランドとの初戦だったわけですけれども、アイルランドとの関係が、袋井との関係、非常に良くなりまして、オリンピックの合宿村にもなるというぐらいの信頼関係ができたということがありましたので、アイリッシュタイムズも含めて、アイルランドの方たちも、大変この勝負について、負けた悔しさはあるに違いありませんけれども、ノーサイドで心からたたえていただいたと。私はアイルランド大使閣下が、12時に来るようにということで、ランチをご一緒したわけですけども、緑一色で、もう完全に勝つというムードでしたね。私も負けるという予感を隠すことがなかなか難しかった。なぜかっていうと、前のテストマッチで向こうの2軍相手に、日本代表が、言ってみれば蹴散らされたといいますか、子ども扱いみたいな形の点差になったわけなので、とてもじゃないけども、この相手には勝つのは難しいと思っておりました。横綱と幕下との関係くらいに思ってたんですけれども、その予想を見事に実力によって返して、言ってみればアイルランドの方々に恩返しもしたということで、このラグビーの面でも対等になったということで、それで何の引け目も持つことがなくなったということがうれしゅうございます。

 あと、エコパでは3試合残されておりますけれども、スコットランド戦では向こうの王室もいらっしゃるとのことでございますので、粗相のないように、そして人々が、スポーツを通じた国際交流、友情を深められるきっかけになることを強くお願いしております。何よりもまたサモア戦、そしてスコットランド戦で、日本がしっかりとした実力を出して、決勝トーナメントで、進めるようにということを心から願うもので、その確信を予感させるこの間の大会でございました。

 皆さま方にもいろんな形でご協力を賜りまして本当にありがとうございました。これはさかのぼれば、森元首相閣下が、この方はついこの間までラグビー協会の名誉会長をされてましたけれども、今それをちょっと別の方に譲られました。彼が実際現場を見て、そしていろいろなご注文もつけられて、われわれがそれに対して全面的に対応をいたしまして、彼も勝利の瞬間は、万歳とともに泣いておられましたね。恩返しができたなと思っております。こうしたことができたのは、森さんと、それから本県が誇るジュビロですね、ラグビーチームの清宮さんが率いたジュビロが活躍してくださったってこともありまして、いろんな方々の協力があって、第1回目をもう本当に素晴らしい形で終えることができて、皆さんの喜びとともにできたということで、関係者に対しても心から感謝をしております。残り3試合についても、エコパで行われる3試合についても、引き続き事故のないように、気を引き締めてやっていきたいと思っております。

「世界クラスの資源・人材群」が87件に!

 二つ目の発表項目でありますが、世界クラスの資源・人材群であります。今月9日から15日に、イギリスのロンドンで2019世界パラ水泳選手権大会が開催されました。この大会に本県出身の鈴木孝幸選手が出場いたしまして、100メートル自由形をはじめ、4種目で銀メダル、1種目で銅メダルと、出場した5種目全てでメダルを獲得なさいました。快挙であります。この大会は、来年の東京パラリンピックの出場枠がかかる大会であります。2位以内に入れば、国、地域に出場枠が与えられ、また日本身体障害者水泳連盟は、優勝者は代表に内定するとしていました。鈴木選手は銀メダルだったので、代表内定は取れなかったわけですけれども、日本に4種目の出場枠をもたらすという素晴らしい貢献をなさったわけです。東京オリンピック・パラリンピック大会に向けまして、現在、国の内外で出場選手選考に関わる、さまざまな大会が開催されております。鈴木選手をはじめ、本県関係選手の活躍を大いに期待したいところであります。これで、世界クラスの資源・人材群は、富士山の世界遺産登録から数えまして、合計87件になりました。

企業で活躍する定住外国人ロールモデル

 さて、三つ目の発表項目でございますけれども、皆さまのお手元にこのパンフレットが配られていると思いますけれども、本県には現在9万2千人の外国人がいらっしゃいます。そのうち働いている方は5万7千人でありまして、多くの外国人の方が静岡県の産業を支えているということです。日系二世、三世などの定住外国人の数が約3万5千人です。そのうち約6割が派遣等の雇用です。その中には、より安定した正社員のメリットに気付かないまま、派遣職員として働いている方もいらっしゃると承知しております。このような方々が正社員として安心して働くことで、企業にも定着し、地域社会でも活躍していただくことが重要であると考えまして、このたび、定住外国人ロールモデルの活躍事例集を作成しました。これを作成したのは経済産業部であります。意気込みを一言どうぞ。

(花井就業支援局長)

 経済産業部就業支援局長の花井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。このたび、この冊子を作成しました。こちらですね、静岡文化芸術大学の池上副学長のご指導をいただきながら作りました。本当に県内で、正社員で活躍されている定住外国人の方が非常に多くいらっしゃいます。特に若い方が非常に多くいらっしゃいます。そういった方々を私ども、直接、その働いている企業様の現場に足を運びまして、取材させていただきました。そうしたところ、本当にご本人、幼いころから非常にかなり努力されてる、昨日ワールドカップでも本当に血のにじむような努力、犠牲と言ってましたけども、それに勝るとも劣らない、もう本当に徹夜して勉強したとか、そういうご苦労を取材でお聞きするんですが、本当に涙が出てくる。そのような形で、本当に苦労の礎に基づいた今の地位があるということで、そういった方々がまだいっぱいいらっしゃるし、また皆さん努力すれば、本当に活躍していただけるんじゃないかと思っています。また雇用されている企業の皆さんも本当に活躍に期待されていますので、こうした冊子をこれから広げまして、多くの定住外国人の皆さんが本県で活躍していただくことを祈っているところでございます。ありがとうございました。

(知事)

 そういう情熱的な思いを持って作られたのがこの冊子であります。私の方から発表するものは、以上でございます。




幹事社質問:リニア中央新幹線

リニア中央新幹線

(幹事社)

 発表項目に関して質問のある方はお願いします。

 では幹事社質問でよろしいですか。リニアに関してなんですけれども、一つはちょっと話が古いんですけれども、12、13日の環境保全連絡会議でJR東海があらためて湧水の全量戻しは困難と考えを示したことに関して、どう受け止めてらっしゃるかというのと、あと知事がリニアとエコパークを両立させるには遠回りしかないということで、ルート変更の可能性を言及した件に関して、その直後に、宇野副社長がそれは計画に沿って進めていくことしか考えてないというふうにおっしゃったんですけれども、このルート変更の可能性に関してどうお考えかというのと、あともう一つ、今日の3時半からリニアに関して発表があると思うんですけれども、ちょっとその内容についてお聞かせできる範囲でお聞きできたらと思いました。

(知事)

 はい、分かりました。まず、トンネルの湧水の全量を戻すということは、約束事であるということです。JR東海さんは、技術的な工法を明らかにして、その責任を果たさなければならないということです。今回いただきました回答は、皆さまもご理解なされたと思いますけれども、理解しやすくなっているんじゃないでしょうか、前と比べまして。だからそういう配慮がよく行き届いたものになっていると。ただ、残念ながら検討とか、いうふうな言葉が並んでおりまして、中身は十分ではないということです。ですから、その中でも、他県に流出する期間、量などが明らかになったのは、進展したと言えるんじゃないかと思います。そしてまた今現在、この他県に流出する、山梨県と長野県に流出するであろう膨大な水を戻す技術がないということも分かったわけですね。そうした中で、今後、県境での湧水流出問題につきましては、トンネル工学の専門家にもご参加いただきまして、トンネル湧水の全量戻すことを前提に、JR東海と科学的根拠に基づいた対応を進めていこうということでございます。そういう状況でございますので、リニア新幹線事業実施するには、大井川の水資源ならびに南アルプスの自然環境の保全が、極めてトンネル工事をする上では重要であるということだと。そして、現在各専門部会の間で、これら水資源の保全と自然環境の保全と、この両立を図るための対話を続けておりますから、ルート変更などということを言うべき今状況にはないという考えであります。

 そしてもう一つ、関連して、実は今日付けで、JR東海の宇野副社長さんに、本県の中央新幹線対策本部長静岡県副知事、難波本部長のお名前で、こういうものでありますけれども、「中央新幹線建設工事における大井川水系の水資源の確保及び自然環境の保全等に関する引き続き対話を要する事項」を送付いたしました。これがそうでございますけれども、これは後から部局の方で皆さまにお配りをいたしまして、説明をするということでございますが、その前に簡単に申し上げておきますと、まず、地質構造・水資源専門部会において、引き続き対応を要する主な事項は29項目あります。大前提はトンネル湧水の全量戻しであります。全量戻しを前提とした工法の検討、あるいは中下流域っていうのは影響ないというふうな宇野さんのご発言もあるかもですけど、とんでもない話で、中下流域には地下水がございまして、そうしたものへの影響評価ということが必要です。それから掘っていくと、ヒ素をはじめ、重金属の発生が懸念される場合がありますから、その域外処理をどうするのだといったようなこともあります。それからまた、地下水と河川では温度も違います。だから、水量とか、水温とか、水質の変化の推定と評価をどうするかといったようなことですね、こうしたものが、地質構造・水資源専門会から、29項目に分けられて問い合わせをする形になっております。それからまた、生物多様性部会において引き続き対応するような事項は、18項目にまとめられておりますけれども、生態系にどう影響するかということは、現在の生態系についての正確な調査が必要です。それがなされてるとは到底思えないということから、最新の現況調査が必要ではないかといったような認識を持って、いくつかの具体的なポイントについて、引き続き対応を必要とするということでまとめて、合計29+18ですから、47項目について、引き続き対応する事項として宇野副社長に送ったということでございます。

(幹事社)

 ありがとうございます。今の質問の答えに関して関連質問があればお願いします。

(記者)

 リニアの関係で一つ伺いたいんですけれども、先日県議会の答弁で、知事は地質調査は不十分ではないかということで、実際に使ったデータを基に、施工計画や環境保全計画を出してもらいたいということをおっしゃったと思いますけれども、去年の10月30日に、JR東海の方から、県に対して地質調査の関係の資料も含めて、大量のデータがJRから送付されてると思うんですけれども、その内容については、知事はご覧になっているのかということが一つと、あと、JRの方はデータに関していまだに公表してないんですけれども、それを公表する必要性というのが感じられてるかということは。

(知事)

 そうですね、地質などの調査の内容については、つまびらかにしないところは、私にはございますけれども、こうしたものは、専門的な調査なので、ただ単にトンネル掘るということにとどまらないで、地質がどうなってるかということについて、多くの人が共有した知識になった方がいいというふうに思いますから、ぜひ公表した方がいいという考えです。今この問題は、地質といいましても、いろいろなこと、破砕帯であるとか、場合によっては軟弱土質があるとか。帯水層があるとかですね、さまざまなものがあります。また、活動の活発な山でもございますのでね、その実態をもっともっと調べる必要があると思っております。大前提は、これはわれわれにとっては水がめだということですね。トンネルを掘るということによって、多分に地質調査をしなくちゃいけないんですけども、水が失われるってことについて、恐らく、つい最近に至るまで、その重要性は、JR東海さんは認識されてなかったと思います。通常、トンネル掘れば水が出てきます。水枯れが生じると。ただし、一番大切なことは、トンネルの中で事故を起こさないことですね、黒部のような巨大な水と戦うという可能性が非常に高いわけですね。何しろ、一番最大で土被りが1400メートルですから。しかも、向こうよりも活動が活発であるということですね。これは何を意味してるかっていうと、今不測の事態に、JR東海さんが直面してるってことではないかと。昔の言葉で言うと想定外ですね、まさかこの水問題でこんなに大きな問題になるとは想定していなかったと、明らかに思われていたと。ですから今、不測の事態、想定外の事態が起こってると。だったらどうするかと。われわれにとっては危機管理が一番大切ですから、危機管理事案だということで、今これに対処してるわけです。

 水が失われたらもう戻ってこないと。そのために事前の、いわば防災対策に必要なさまざまなことを、津波や地震についてやるように、今回のことについても、事業主体であるJR東海はそれをなさらないといけませんということですね。最近の言葉で言えば、いわゆる臨時情報が出たというふうに考えていただければいいと。津波の臨時情報データが出たと、どうしますか。これは避難しなくちゃいけないんですよ。そしてまた、こういう事態になったときに、今の現状のままでいいのかっていうとそうはいかないと。例えば、エネルギー対策について一から見直して、原子力を中心にしたエネルギー体系を、いわば再生型エネルギーを中心にしたものに変えていこうと。そういうふうな事態に相当するというふうな認識を持たないといけないと思います。ですから、がらがらポンで、リニア新幹線の大阪から名古屋を経て東京、東京から名古屋を経て大阪にまで行くということについて、通常の工法でトンネルも掘れるし、水もちゃんと下流に流せると。下流っていうのは、長野を通してというか、山梨の方ですけれども、それでトンネルの中で水さえちゃんと処理できればいいという問題ではもうなくなっているということですね。私はもう、一からもう一度工程も含めて、考え直さなくてはならないくらい不測の事態、あるいは想定外の今、現状に直面してるという認識をJR東海さんはお持ちになるべきだと。そうした水がめとしての、南アルプスについて、もっともっと正確な知識を持たないと、後から取り返しのつかないことになるというふうなことで、先ほどおっしゃった、そういう情報については、いろんな知識人、専門家、隠れた知識人もいらっしゃいますが、そういう人たちの意見を聞くためにも、これは公表した方がいいと。

 さらに言えばですね、そういう地下の千メートルのところから、仮に停電が起こったと。今回の台風の被害もそうでございますけれども、停電が起こったらどうなるかと。そうすると真っ暗ですね、どうして逃げるんですか。非常口から逃げる以外ない。非常口は千メートルのところですから、山の中、ずっと登っていかなきゃいけないんですね。出たところも山の中です。そんなこと死ねっていうのと等しいですね、多くの方々に。そういう非常口の問題だってあるわけです。ですから、どういう地質になってるかっていうようなことは、もうアルファ・アンド・オメガのアルファ、一番最初のところで、そこをきっちりやらないと前に進まないということで、これは時間がかかりますよということであります。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 そうしますと、確認ですけども、全量を戻すということは大前提だと。トンネル湧水に関してということですけども、それ以外にもたくさん問題があるという、そういう認識で。

(知事)

 そうですね。40項目近くにわたってお尋ねするところの前提は、地質委員会におきましては、これはもう、まずは全量戻すということ。生態系については、現状の生態系がどうなってるかっていうことについての調査というものがなされない以上、生態系についての意見も前に進まないということでありますから、現状の分析をしっかりするということのための質問をいたしました。時間がかかると思います。時間をかけるべきだというふうに思いますね。

(記者)

 知事は、これまでに何度かルート変更を求めるかのような発言をされてると思います。リニアとエコパークを両立させるには遠回りしかないですとか、そのような趣旨の発言を何度かなされてるんですが、確認ですけれども、今現在リニアのルート変更は求めていかないということでよろしいんでしょうか。

(知事)

 そのとおりです。

(記者)

 水を全量戻してくれればそれでいいということで。

(知事)

 水を全量戻すという約束がありますね。ですから、それを戻す技術を今検討するとおっしゃってます。ですからこの技術は、私は今日明日で、できる筋のものではないと思いますが、取りあえずぜひ検討してやってみたいとおっしゃってるので、ぜひやってくださいと。そのための調査をまずしていただいて、われわれと意見交換をしようということですから、今やろうとしてる方に、水を差すようなことは申し上げるべきではないということです。

(記者)

  はい、ありがとうございました。

(記者)

 すみません、また水を差すことを言うことになるかもしれないけども、協議、いろいろ話し合いをして検討した結果、戻せない。やっぱり戻せないようだという話になった場合は、ルート変更を求めていくことっていうのも視野に入ってらっしゃるんですか。

(知事)

 いろいろなことが考えられるのでありませんか。もともとの計画では、一番最初は一期開通だったわけですね。東京、名古屋、大阪、一期開通と。それが、いろんな経緯があって、まず一期工事は名古屋まで。そして二期工事を名古屋、大阪ということだったんですね。これも2045年というのが目標年次だったわけですけど、これが政府の援助もあって、2035年って10年前倒しになったわけでしょ。だから、こういうものは可変的なものだというふうに思いますけれども、まさか南アルプスで、静岡県にとってこれがいかに重要な水資源であるかということについての認識は、当初私ですら、国土審議会の委員として活躍して、しかも20年以上やっていながら知らなかったんですよ。この水の問題が、これほど深刻というか、重要であるかということをですね。

 ですから、今恐らくJR東海も鉢巻きを締め直して、さあこの問題に技術的にどう対処するかと。トンネル掘ること自体も、これは大変難しい技術ですけれども、当初はできないと思ってたものができるようにもなってきてるわけですね。だから、この技術への進歩を、あるいは技術的な改良を、これを邪魔する必要は全くないと。それをやるとおっしゃった。だけど、これはこの間の回答から見ると、今ある技術ですぐできるっていうものでもないということは明らかですね。つまり、全ての持ってる知識を全部出されるわけです。私たちはここまではできる、これはまだ検討を要すると言われてるから、それはできないということなわけです。どうするかと。だからやっぱ時間はかかるだろうと、時間がかかるのならどうしたらいいでしょうか。リニアに賛成してるわけです。リニアでスーパーメガリージョンができればいいということで、静岡県、誰も反対してません。それができれば、どんなルートを通ろうと、既存の新幹線のサービスがよくなるわけですから、だから反対する理由は、それ自体についてはないわけです。

 だけど水資源は譲れませんということですから、じゃあどうしたらいいかと。だったらその一期工事、二期工事を反対にするとかね。ことだって選択肢でしょ。ですから、いろんなことを考えることが可能だということです。だから、大事なことは、60万人の人たちが依存してる水について、これを確実に保全するにはどうしたらいいかっていうことを、真剣に日本の英知を結集して考えなくちゃいけないと思っております。これは、1カ月や2カ月で、今の技術でできるってことがないってことは、もう今回の水資源、あるいは地下、地質構造調査の委員会を通して、ほぼ明らかになったんじゃないですかね。だから私は申し上げているのは、今これは想定外の問題にJR東海さんは直面してますよと。

 だから一から考え直した方がいいと。どういうふうにすれば、東京都、名古屋を経た大阪まで結べるか、これを考え直した方がいいということですね。できるところからやればいいってことなんじゃないでしょうか。

(記者)

 ただちょっとしつこいようなんですけど、一から考え直さなければいけないというと、ルートもその選択肢の一つに入ってくるのではないかという。さっきから聞いていると、一から考え直さなければいけないということは、今の計画しているルート以外のことも含めて、やっぱり考え直さなくちゃいけないっていう意味に聞こえるんですが、そこはあえてルートは、今は言わないっていうのは、何か意図はあるんでしょうか。

(知事)

 いいえ、言ってるとおりです。先ほど臨時情報と言いましたけども、仮に大きな津波が来るという可能性が公認されて、避難勧告が出たと。実際それが出なかった結果、2万人たちが命を、あるいは行方不明になったわけですね。複合災害で今、まだ、4、5万人の人が家に帰らないでいらっしゃいます。そういうことが起こりうるっていうことになったときに、最大の理由は何か。エネルギー政策だったわけでしょ。エネルギー政策は、原発への依存率を2分の1にするというのが国の目標というか、エネルギー政策の根幹を成すものでしたね。安全であり安いし、ということだったわけです。それが根本から覆ったわけじゃないですか。それでどうなりました。一から見直してるんじゃありません、エネルギー政策。それに匹敵するって言ってるわけです。

 こちらは2万人じゃありません、60万人なんです。だからそこの水をどうするかっていうことに今直面してるんだと。だったら、しかし、リニアは反対かと、反対だと言ってません。これはもう長い間経験、議論を積み重ねて、大阪から東京にいかに早く効率的に結ぶかというところでやってきたと、そこがポイントでありますから。やり方はいろいろあると思いますし、そういうことを見直す時期に来てると。なぜかというと、いわばもう、大きな想定外の不測の事態というものが予想されるからですね。だから危機管理こそ、最大の念頭に置くべきことであって、われわれはこの水資源が危機にさらされているということを多くの方々にご認識賜って、そして、南アルプスの保全と水資源の保全と、それからリニアの両立というのを求めていくということであります。
そういう中にいろいろな選択肢があるということですよね。それをみんなで考えればいい。




幹事社質問(記者質問):リニア中央新幹線、地域医療構想の再検証要請

リニア中央新幹線

(記者)

 いろいろな選択肢の中に、時期や工法っていう話が今ありました。そのルートっていうのも当然そのいろんな選択肢の中に入ってくると思うんですけど、あえてルート変更は求めませんと明言されるのは、何でルートだけは除外しちゃうのかなと、選択肢から。

(知事)

 これは、JR東海さんは、この事業主体者として国からの認可を経て、このルートが決まってるわけですね。このルートにおいて、今、最善の力を尽くして、水を全量戻すための検討をするとおっしゃってるわけですから、これは尊重しなきゃいけない。われわれが、第三者から水を挟むっていうちょっかいを出すよりも、取りあえずやってみてくださいと、非常に注目してます。あちらこちらにトンネルもあるし、トンネルもこれから掘るでしょう。そういうことも起こるであろうと、かつて、北陸東海自動車道で掘削機が軟弱土質にぶつかって、数年間、引き出すこともできない、前に行くこともできないことが起こりましたよね。そうしたこと、どう克服するかと、なかなか難しい問題ですよ。ついこの間でも、中部横断自動車道で軟弱土質、重金属、それからトンネルのひび割れ、それから水の流出、こうしたことが起こって、2年も今延びてますよね。間もなく富沢から南部までは開通しますけども、結果的にこれ遅れてるのはなぜかっていうと、そういう地質のものにぶつかって、技術的にすぐには解決できなくて時間を要したわけです。今そういうことの一番大きな問題は水問題ですから。しかも水が流出するということを、1キロ800メートルでそれぞれ、山梨県と長野県に膨大な流出があると。その量についてもある程度計算がなされてるわけですね。こうしたことが看過できないでしょ。

 それを止めるための技術をどうするかと、考えるとおっしゃってる、考えてくると言う以外に、他に言うべきことはありません。

(記者)

 リニアの関連なんですけど、9月の定例会の木内議員の代表質問の中で、迂回(うかい)っていう言葉について、鈴木くらし・環境部長が答弁した中で、知事は急がば回れという言葉を使ってきて、今やることをしっかりやれば道が開けるというような意味で、迂回(うかい)という言葉を使ったというような答弁されたんですけども。あらためて知事の口から言葉で聞きたいんですけど、これまで迂回(うかい)という言葉を使ったのはどういう意味で使ったのかっていうの教えてください。

(知事)

 困難に直面したときにはいろんな、もう1回原点に立ち返って、全体を鳥瞰(ちょうかん)するといいますか、そういう態度が必要です。そういうときにね、人は急がば回れと言うだろうと。もう1回考え直してごらんと言うじゃないですか。だから今はそういう時期だと。だから今、この水問題について、もうしゃにむにやって結果的に大惨事を起こし、補償もできないということになる前に、よく考えなさいということで、今ようやくその何が問題かがはっきりしました。大体山梨県側に、1キロにわたってこういうふうに掘っていくから、全部水が上からこう入ってきますからね。工法とか、水が全部出るというふうになったらどうなるか。これ戻せませんとおっしゃったので、戻せないんですかって言ってるわけ。いや、何とか検討しますということでいるわけですね。つい最近分かったことではありませんか。今からそれを時間をかけて検討してあるんではないかと思っております。私、非常に楽しみにしてます、どういう結果が出るのか。

(記者)

 あともう一つ追加で、先日の専門部会の2日目が終わった後に、難波副知事の方から専門家の方だったり、またJR東海の方の社員の中のトンネル工事の専門の方も含めて、膝詰めの意見交換会も今後行っていきたいというお話があったんです。

(知事)

 そうですね、これ確か10月4日にやるんですか。そうですか。そうです。

(記者)

 そこには、知事の方も参加されるっていうような。

(知事)

 いえ、これは専門家に任せますよ、はい。

地域医療構想の再検証要請

(幹事社)

 よろしいですかね。じゃあすみません、ちょっと幹事社からもう1個お聞きしたいことがあったんですけれども、地域医療構想の関係なんですけれども、厚生労働省が30日に再編の議論が必要な公立、公的病院の名前というのを発表しました。静岡では14病院の名前が挙げられていて、しかも中には静岡てんかん神経医療センターのような、専門的な研究治療を行っていて、患者さんが代替先を探すのが難しいような病院も含まれています。この公表結果に関して、または厚労省が各病院を名指しで公表するというこの行為に関して、知事はどう考えでしょうか。

(知事)

 これは本県の14病院が選定されたんですね。これは全国一律の基準による機械的判定と受け止めておりまして、再検証対象の医療機関に選定されたことが、直ちに再編統合につながるとは考えていないということであります。そのように受け止めております。ただ全国一律とはいえ、きちっと医療体制が整っていないということで、見るべきところはありますね。私は桜ヶ丘病院の機能低下を、この間、非常に懸念しておりましたので、それが名指しされてるわけでしょ。ある意味で当然だなということもありますね。

 もし、桜ヶ丘公園に移転するということで、地元の人たちの希望とそれと場所のことでいえば、もうでき上がってますよ、今の時点でね。工事終わってます。今のような問題になってないわけでしょ。だから、清水区の医療事情が悪くなって、それが葵区の方にしわ寄せになっているということもあって、県の方でも非常に心配してるところがあります。そうしたことと重なるところもあるので、こういう名前が挙がったところについて、それぞれ丁寧にきちっと、これをその通りする必要はないということと同時に、また改めるところは改めて皆さんに自覚していただくという、コールの効果もあったんではないかと思っております。

(幹事社)

 今の質問に関して関連、何かありますでしょうか。

 それ以外の質問で、各社さんお願いします。




記者質問:桜ヶ丘病院の移転(住民投票)、いるか追込漁業

桜ヶ丘病院の移転(住民投票)

 (記者)

 桜ヶ丘病院の話が出たのでついでに。今、静岡市議会で清水庁舎の移転について審議をしていますけども、市民団体が住民投票の実現に向けて、今、署名活動をしようと準備を始めています。知事は以前、住民投票の前に、まずは市長が反対派の意見を聞くべきだといったお話をされたと思うんですけども、あらためてこの問題についての住民投票の是非について聞かせてください。

(知事)

 住民投票に至る前に、選挙のときに公約されて、この問題、清水区の区民にとっては懸案事項だったわけですね。これを市民の間に入って丁寧に説明するとおっしゃって、しかも日程もお決めになっていたわけでしょう。それをキャンセルした形で、今日の議会になってるということで、皆怒られて住民投票という動きになってると、そういう理解してるんですね。残念なことだと。市議会でも、住民投票をするべきだという意見がある。これはもうしないとおっしゃってるわけでしょ。不思議なことに、約束したことは守らなくてはなりませんが、一つのことで約束を守らないと、他の約束も守れるのかなというふうに思います。ただし、一貫したことがあるんですよ。それは市議会の一部の方の意見に従うという、市議会の意見に従うのではなくて、市議会の一部の意見に従う、そういう構図ですね。多数派を占めている、そのボスの言うことに従うという構図が見えてきました。だから市民の言うことではなくて、市議会の一部のボスの言うことを聞くということであれば、これは非常に不健全であるというふうに思ってます。

 そしてそれを正当化するために、議員は多くの情報持ってるし、市民の代表であるからということになってるわけですけれども、だけど、市民の意見を直接聞くっていうことを抜きにした代表なんかないですよね。ですから、そこのあたりは、ぜひ市長が市議会のボスから自立をして、市民と向き合うと。これは頼重さんにしろ、あるいは御前崎の柳澤さんにしろ、あえて反対派の中に1人で入ってるとか、あるいは住民自治、これを尊重して住民投票を行うように市議会で提案されたんですね。そういう人がすぐ近くにいらっしゃるので、ぜひそういう態度を見習ってほしいと思いますね。

(記者)

 田辺市長は、この間の4月の市長選で民意が示されたとかって言ってるんですけど、そのへんについて知事はどう思います。

(知事)

 民意の取り方が問題ですね。ですから静岡の中で、清水区は明らかに市長さんよりも反対派の投票数の方が多いわけですね。それが民意だというふうに言えば、それも民意です。ですからここを謙虚に受け止めて、入っていって、自分の信念なり、政策なり、これをご説明されるというのが、市民の代表としての務めであると思っております。勝てば官軍じゃないってことですね。

いるか追込漁業

(記者)

 いるか漁についてお聞きしたいんですけど、いるか漁ですね、いとう漁協さんが、来月から、条件が整ったところで、水族館などへの提供に限ってということで、漁を再開するという話があったんですけれども、この件に関しての知事の受け止めを教えてもらってもよろしいでしょうか。

(知事)

 いとう漁協はこの件では苦しんでこられましたね。ずっと伝統的ないるか漁というのがあると。これが、ジオパークとの関係でいろいろ取り沙汰されて、これを取りやめてこられたわけです。一方、イルカは大きなお魚ですから。魚っていうか哺乳類ですけれども、クジラの仲間ですよね。その結果、大食いですわな。キンメダイも食べちゃう、イワシも食べてしまう。そういうことで、マイナスの面も起こってきてるわけです。こうした中で、イルカは頭もいいから、これいじめてはいけないっていう、そうお考えをお持ちの方もたくさんいらっしゃるので、どうするかと。イルカは、いろんな形で人に親しまれてるから、これを生きたまま捕獲して、水族館で見せるという形でいるか漁のこの技術を残したいというお気持ちもあって。それと同時に、結果的にはキンメダイとかその他の漁に対しても好影響が、及ぼすだろうという、そういう結果ですね。

 私はその意味で、今回、ジオパークの方の委員会の方も、この件については特段メンションされてませんので、安心しています。

(記者)

 やっぱりいるか漁っていうと、今回生体捕獲っていう形で、知事も評価されてるという話だと思うんですけども。食用で捕ってきたという歴史がある中で、そういったものも否定はしていないと思うんですよ、漁協さんって。そういった生体捕獲以外の食用ですとか、そういった殺傷があるような捕獲ということに関しては、知事はどのように思われていますか。

(知事)

 非常に難しい問題ですね、これは。ですから人間の原罪じゃないでしょうか。われわれが動物を家畜化し、植物を栽培植物にして、自然を改変してきたわけですね。そうした中で、日本は稲作、漁業の国ですから、畑作牧畜の方たちが、牛を屠殺(とさつ)して、あるいは豚を屠殺(とさつ)して、生活してるわけですけれども、われわれは海に生きる日本人として、それなりの技術を磨いてきて、そしてまたイルカにしてもあるいはクジラにしても、命を頂くということで、お墓まで作ったり、戒名まで差し上げて供養するということをしてきてるわけですね。だからそういうふうにして、食用にするというふうにしてきたという歴史がありますから。だから、白黒で簡単に言えないところがありますね。ただ日本は、魚食の国ですから、たくさんの魚がいて、世界で最もたくさんの魚を頂いてるところです。どの魚も皆命を持って生きてるんですよね。しかし、これを頂かないことには、われわれは日本の文化社会を存続させることができない、刺し身にしてもすしにしてもそうですよね。そうしたことの一環として、イルカもクジラもあるということだと思います。この間クジラが海に流されて、これ何とか返したいと。クジラの赤ちゃんが湾の中で泳いでると、何とかこれを、親のとこに返したいとか、そういうのは金子みすゞの詩とか、どこにも非常に顕著ですけども、みんな共有してますよね。だから動物をいじめてるんじゃないんですけども。こういうことも、あえてせざるを得ないということが、他の人にどれだけ分かっていただけるかということがありますので。ですから、こういう哺乳動物としての、いわゆるクジラの類のもの、頭もいいですからね、ということも分かってますから。なかなかにこの問題は、すぐには解決つかないだろうと思ってますよ。

 今回の件については、生体捕獲で水族館にということでありますから。苦渋の決断ということで、まずは第一歩ということで、決して動物虐待というふうな文化ではないんだということは、この点は保証されたんじゃないかと思います。




記者質問:サクラエビ秋漁、豚コレラ対策

サクラエビ秋漁

 

(記者)

 サクラエビの話ですけど、サクラエビ、知事の許可漁業であると思うんですけども。先日、秋漁の開始方針が決まりましたけども、湾奥部の産卵量が非常に厳しい状況にあるという中での今回の決断なんですが、知事として何かお考えになられることがありましたら教えていただければ。

(知事)

 まずサクラエビ漁に携わってこられた漁民の方ですね、この方の辛抱は大したものだったということで敬服しています。そうした中で調査をすると、徹底した調査をすると。そして、漁と資源管理とどう両立させるかという中で、秋漁については部分的にしてみましょうということでありまして、湾奥であなたがご指摘になったようにまだ大きく育っていないと。だから、問題があるなっていうことは、特に静岡新聞の調査等でよく知られていること。われわれの方も、これ上流に問題があるんじゃないかということで、上流は山梨県ですから、今これ中平くんも来てると思いますけれども、最新の情報も彼から得られると思うので、この件についてもし中平さんの方から一言二言。

(中平水産業局長)

 水産業局長の中平でございます。まずサクラエビの件につきましては、最終的な調査結果まだ出ておりませんので、最終的な調査結果を踏まえて漁協の方で、その方針が決定されるというふうに聞いております。それからもう一つ濁りの件につきましては、現在、山梨県と調整をしておりまして、いろいろ厳しい調整をしていますけれども、遠くない将来には、きちっと山梨県と、調査結果を踏まえた今後の対応について公表できるんではないかというふうに考えてます。以上でございます。

豚コレラ対策

(記者)

 豚コレラについて対策をお尋ねしたいんですが、農林水産省が豚にワクチンを打つと、9県で接種を推奨するというふうに決めて、静岡はそこには入っていません。県として要望されたかどうか。またもしされた場合は、農水省の対応についてお尋ねしたいです。

(知事)

 推奨地域に入ってないんですね。ですから、われわれは今回の補正予算でも、しかるべき手当てをいたしまして、東部、それから中部ですね。そうしたところにしっかり消毒をするということで、経口ワクチンはしかるべく散布しておりますけれども、国としてこれを契機として捉えていただいて、われわれの方も万全の対策をとっているので、ワクチンの件についても今のところ推奨地域に入ってないってことですから、それに従いますけれども、四方包囲されてる形になっているので危機感を持って、今度の補正でできる限りの防疫体制をとりたいというのがわれわれの態度です。

(記者)

 すみません、確認なんですが、千葉県とかは接種地域に入れてくれるようにという要望を農水省にしたそうなんですが、静岡県はされてないですか。

(知事)

 あのね、現在、江藤農林水産大臣に対しまして5項目について要望をしております。感染の拡大状況等を考慮し、本県も含む適切な豚コレラワクチン接種範囲を設定してくださいと。第2、感染の拡大状況等を考慮し、豚肉の風評被害対策に万全を期してください。第3、豚コレラの発生により影響を受ける養豚農家および畜産関係者への支援を強化してくださいと。第4、感染経路の究明と感染拡大要因を解明し、有効な感染防止対策について情報を提供してください。第5、アフリカ豚コレラに係る輸入検疫等の水際対策を一層強化するようにということで、私の名前で農水大臣に要望してるということであります。

(記者)

 それはいつ付け、いつ時点ですか。何日時点でしょうか。

(知事)

 これは9月27日、先週末ですね。

(記者)

 はい、ありがとうございます。

(記者)

 ワクチンの接種については、要望されたということでよろしいですか。

(知事)

 はい、今一番苦労してるのは猟友会なんですね。この間猟友会に行きまして、20数名の猟友会のリーダーにお目にかかったんですけども。今のところ200頭ぐらい捕獲されて、そして全部調べたら全部陰性だと。ただ、この夏、暑かったですからね。その中で入っていって処分すると。捕獲するのはいいんだけど、そのあとの処理が難しくて、これで意見交換をいたしまして、猟友会の方たちが言われたことが二つあります。一つは、わなが仕掛けられているところがあるので、そういうところはわなが仕掛けてあるということが書かれてるんですよ。そうすると山に入った人が、そこに行くってことになる。それは絶対やめてほしいと、危険だから。イノシシが出没する危険があるということですね。それが一つです。

 それからもう一つは、わなにかかった、あるいは猟銃で仕留めたといったときにそのあとどうするかっていうことで、重たいですからね。これが湖西と浜松でやり方が変わっていたので、今それがより猟友会の方たちにとってやりやすい方向で今調整をいたしまして、その方向で動いてるはずです。この間行ったの1週間、10日ぐらい前かな。これ関係者いますか。ちょっと補足的な説明がもしできるのであれば。

(細谷農業局長)

 農業局長の細谷でございます。ただいま知事からコメントありました、豚コレラの関係でございますが、ワクチン接種については静岡県も含めていただくように、先週27日に国に要望書を出したところでございます。それから、イノシシへの経口ワクチンの猟友会の皆さまへの軽減負担ということでは、これは浜松市さんとよく調整をして、しかるべき手順を踏んでやっていけば、浜松市の方でも処理について協力していただけるということで調整をしたところでございます。以上でございます。

(記者)

 猟友会の軽減負担のやり方などについて教えてください。

(細谷農業局長)

 今、知事からコメントがありましたように、イノシシを処分するには、埋却するかあるいは焼却するかということでございますので、湖西市ならびに浜松市の焼却場あるいはペット用の焼却炉、こうしたものをイノシシの処理のときに使える、そういう方向で浜松市さんと調整したということでございます。

(記者)

 それは県からお金を出してということ。

(細谷農業局長)

 その処理のところについては湖西市さん、浜松市さんとも特に費用が発生しないですね。普通にごみの焼却を受け入れてくれる中で、イノシシについてもしかるべき処置をすれば受け入れてくれるということです。

(記者)

 つまり県のした仕事として、そういった段取りをつけるというか。

(細谷農業局長)

 そうですね、お願いして調整したということです。




記者質問:豚コレラ対策、桜ヶ丘病院の移転(住民投票)

豚コレラ対策

(記者)

 猟友会さんの経済的な負担の軽減というのは、今後考えていくのかということと、あと仕留めたイノシシをこの際に食用に転用、ジビエとかに転用するというような、こういう考え方もあるかもしれないんですけど、そういうのは考えていないでしょうか。

(細谷農業局長)

 はい。もともとイノシシを捕獲するときに有害鳥獣という農作物被害の中で捕獲する場合と、狩猟として捕獲する場合がありますが、有害鳥獣として捕獲した場合には国の交付金も含めて、謝金が出る仕組みになっています。今回、猟友会皆さんにこちらから捕獲をお願いしてきたのは、それと相応の謝金を払うということで経済的負担についても手当てをして、今200頭近くを捕獲していただいたということでございます。今回の捕獲の中では、まず夏に捕獲するときは比較的ジビエに向かないということもございまして、そこについては猟友会の皆さんに処分はお願いしていました。もし狩猟期になってくると、ジビエに向くイノシシが取れてくるということを伺ってますので、ジビエの議論もそちらでは進んでいくかなと思います。

(知事)

 狩猟の時期があるんですよね。ですから夏暑い中で焼却炉に持っていっても、浜松ではなかなかやってくれないってことだったら、それは当然ですよね。もし陽性であれば、血が出ていますから、他の方にうつったら大変だということで、ですからどうするかっていうことであったわけですけれども、きちっと包みましてね、それに消毒をかけて、それで焼却炉に持っていったら、それで処分してくださると。こういうことで、1人で20頭ぐらいを埋めた人がいたわけですけども、これはもう死ぬような思いだと言っておられましてね。そういう要請を受けて調整に入って、今言ったような形で焼却ができるようになったということであります。

桜ヶ丘病院の移転(住民投票)

(記者)

 すみません、清水庁舎の関係でごめんなさい。確認だけ。住民投票をするべきかせざるべきかでいうと、どういうお考え方でいらっしゃいますか。

(知事)

 するべきですよ。私はもう静岡市民ですから賛成します。




ページの先頭へ戻る